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◆アイスにまつわるおばあちゃんとの思い出

夏になると、思い出すことがある。
あれも同じように、暑い暑い夏の日のことだった。

おばあちゃんが買い物に行くと言うので、
いつものように「わたしもいく!」と追いかけた。

 

 

強い日差し。
焼けるようなアスファルト。

 

 

おばあちゃんはお店でアイス売り場で立ち止まり、
一緒に食べようと言ってくれた。

 

滅多におばあちゃんが、アイスを食べようということなんてない。
歯にしみるとか、寒気がするとか言って、あまり食べなかったよね。

私が食べているのを、たまに一口二口味わう程度で。

 

 

だから、意外だった。
だけど、嬉しかった。

おばあちゃんと一緒にアイスを食べれるんだなぁって。

 

 

私はわかってる。
おばあちゃんが好きなアイスクリーム。

それは、コーンタイプのバニラアイス。
味はわかってたんだよ。

おばあちゃんは、絶対にバニラアイスだって。

 

 

バニラアイスなら、何でも同じだと思ってたんだ。

 

 

家に帰って、早速二人でおやつの時間。
私が選んであげた、バニラアイス。

おばあちゃんはちょっとなめて言ったんだ。

 

 

「甘い。甘すぎる」

 

 

それからなんぼも経たないうちに、
甘さの強いアイスを持て余したおばあちゃん。

私に食べていいよって言った。

 

 

そのとき、すごく悲しかった。
すごく後悔した。

おばあちゃんに申し訳ないことをしたなって思うと、
たまらない気持ちになったんだ。

 

 

もっとちゃんと、選んであげればよかった。
おばあちゃんが好きなメーカーのバニラアイスを、選んであげるんだった。

私のせいで、おばあちゃんは食べたかったアイスを食べられなかった。

 

 

私はお財布の中にわずかにあった小銭を握り締めて、お店に急いだ。
翌日のことだった。

 

 

昨日よりもアイスの種類が増えている。
きっと入荷したのだろう。

その中から私は選び出した。
下の方に埋まっていた、おばあちゃんが好きなバニラアイス。

 

 

溶けてしまわないように急いでお金を払い、走って家に帰った。
息をつく間もなく、おばあちゃんに渡した。

 

 

「おばあちゃんの好きなアイス、買ってきた」

 

 

おばあちゃんはきょとんという顔をして、私を見た。
「どうしてわざわざ?」そう言わんばかりに。

 

 

「ばあちゃんはいいよ。お前が食べなさい」

 

 

思った通りの返事。

 

でもそれじゃダメなんだよ、私が食べちゃ意味がないんだよ。
「おばあちゃんに買ってきたんだもん」

私も引き下がらない。
モタモタしていると、アイスが溶けちゃうよ。

 

 

「ありがとうね」

 

 

ためらいがちに、受け取ってくれた。
既に柔らかくなった、バニラアイス。

 

 

「一緒に食べようね」

 

 

そう言って、半分、私にくれた。
全部食べてと言いたかったけれど、頷いて受け取った。

 

 

おいしかった。甘かった。でも、さっぱりしていた。

 

 

夏になると思い出す。
アイスを買いに行くと、必ず甦る。

暑い夏の思い出。
おばあちゃんの笑顔。